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絵本「きぼうのかんづめ」発売-震災後の石巻と経堂の交流描く

「きぼうのかんづめ」の文章を担当した須田泰成さん

「きぼうのかんづめ」の文章を担当した須田泰成さん

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 経堂のカフェ&スペース「さばのゆ」(世田谷区経堂2、TEL 03-5799-6138)が、震災後に宮城県石巻市の缶詰メーカー「木の屋石巻水産」に行った支援、交流の様子を描いた絵本「きぼうのかんづめ」が3月11日、ビーナイス(港区)から発売された。

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 「さばのゆ」と「木の屋」は震災前以前から交流があり、「木の屋」の缶詰の試食会を「さばのゆ」で行うなどしていた。震災で「木の屋」の工場が津波被害に遭った後、「さばのゆ」が中心となって経堂近隣の住民らと協力し支援を開始。物資の支援や、泥まみれになった缶詰を洗うボランティア、経堂にある飲食店で缶詰を使ったメニュー開発なども行った。同作は、これらの実話を基に構成している。

 企画、文章を担当したのは、「さばのゆ」オーナーでコメディー作家の須田泰成さん。制作のきっかけについて、須田さんは「昨年3月末から石巻で缶詰を掘り起こし経堂を中心に販売していたが、いずれ販売するものがなくなったときのために絵本を企画しようと考えていた」と話す。「僕自身、阪神淡路大震災で実家が被災した経験がある。母が『震災は風化が激しい』と語っていたのが印象的だった。絵本にしたのには、きちんと記憶に残したい、という思いもある」とも。絵を担当したイラストレーターの宗誠二郎さんら、参加したクリエーターは全てボランティアで協力したという。

 価格は1,260円。発行部数は5000部で、全国の書店やアマゾンなどで販売する。売り上げの一部は「木の屋」への寄付を予定。同社は2013年1月に新工場の再建が決まっている。 

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