三軒茶屋のカフェがフレンチレストランに-社会福祉法人が経営

竹ノ内さんは「仕事をしている時、従業員の目は生き生きと輝いている」と話す

竹ノ内さんは「仕事をしている時、従業員の目は生き生きと輝いている」と話す

  • 0

  •  

 三軒茶屋南口の「藍cafe & Gallery」が4月2日、フレンチレストラン「Restaurant ancienne(レストラン・アンシエーヌ)藍」(世田谷区三軒茶屋1、TEL 03-5430-3671)としてリニューアルオープンした。

[広告]

 同店を運営するのは社会福祉法人藍。同法人は、心身障害者の社会参加や経済的な自立支援を目的に1983年に発足。日本の伝統工芸である藍染めを中心に、染・織りなどの技術を用いたオリジナル作品を制作・販売する福祉施設「藍工房」の運営を中心に活動してきた。同工房の活動は、ニューヨークやパリなど海外での世界巡回展を含め多岐にわたる。

 席数はカウンター席を含めて55席。13年前から営業を続けてきたが、今回のリニューアルで白と黒を基調とした「高級感のある店内」(同法人代表の竹ノ内睦子さん)に。店内の壁面はギャラリースペースとして使用する。ギャラリーの使用料金は6日間で6万円。

 同店では、リニューアル前から従業員として障害者を雇用する。現在、22人の障害者が従業員として登録。竹ノ内さんは「薬の服用と病院のベッド上だけでは、障害者の自立支援をすることは難しい。対人恐怖などの傾向を持つ従業員もいるが、社会の一員として、開店準備から接客まで、それぞれの従業員の持つ障害の症状に合わせた仕事ができるようにしている」と話す。

 今回のリニューアルでは、東京會舘(千代田区)で勤務経験のあるシェフを迎え、本格的なフレンチ・レストランとしての営業を開始。ランチメニューは「ハヤシライス」(スープ、デザート、コーヒー付き、1,000円)などのほか、コースメニューも提供する。ディナーは完全予約制で、客単価は3,800円程度。リニューアルのきっかけについて、竹ノ内さんは「障害者が働くことは、本人やその家族にとっても大きな自信となる。営業で出た利益を、従業員に今まで以上に還元できれば経済面での自立支援につながると考えた」と話す。

 「まだまだ日本では障害者に対して一部偏見があることも事実だが、『障害者だからできない』ことはない。一般のレストランと同じ、落ち着いておいしい食事を楽しんでもらえれば」とも。

 営業時間は11時30分~18時(ランチタイム=11時30分~14時30分、喫茶タイム=14時30分~18時)。土曜・日曜・祝日定休(貸し切り、ギャラリー使用時は営業)。

下北沢経済新聞VOTE

下北沢経済新聞を読んだことをきっかけに、実際に足を運んだ店やイベントはありますか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース