下北沢「落書き消し隊」に32人が参加-治安維持の目的も

作業風景。上から水性ペンキを塗る

作業風景。上から水性ペンキを塗る

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 地域住民による「きれいで安全な街づくり」を目指した下北沢南口商店街の「落書き消し隊」の活動が2月20日、下北沢一帯で行われた。活動は、同商店街の吉田圀吉理事長を中心に5年前にスタート。以来、定例として毎月第3火曜に実施されている。

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 当日、集合場所の北沢タウンホール(世田谷区北沢2)には地域住民をはじめ、他地域からも落書きの消し方を学びにきた人や、大学生など32人が集合。2つのグループに分かれ、茶沢通りと南口商店街を中心に落書きを消した。

 作業の8割は落書きの上から水性ペンキを上から塗って隠すという方法。ペンキは同系色のものを使うが、全く同じ色にするのは困難だという。スプレーなどの溶剤で消す場合もあるが、ペンキと比べてコストと手間がかかるため、多用できないのが現状だとか。作業に必要な年間約30万円の材料費は区が出費しているが、次々と描かれる落書きの数に対抗するには、やはりペンキが一番といわれている。

 一番被害が多いのは、電柱や配電ボックスなどの公共物。一度消した上に同じ落書きを描かれることも多いという。「あきらめたら負け。ここ2~3年の活動でわかったことだが、2~3回塗り返せば同じ場所には描かれなくなる」と吉田さん。

 活動を始めた当時は街中に充満するほどだった落書きの数は、近年の活動の成果で大幅に減少。しかし、公共物以外の落書きは所有者の了解を得ないと消せないため、最初の2年は街の人を説得する方が大変だったという。

 そこまでして活動を行う背景には街の治安維持という目的がある。「1つの軽犯罪に目をつぶると、それがどんどん増えていく。落書きも同じ。街をきれいにするのと同時に、このエリアではいろいろな人が街を大切にする活動をしていることをアピールすることで、治安を守れれば」(吉田さん)。

 次回は3月20日。集合場所は北沢タウンホールで、集合時間は9時15分。

下北沢南口商店街

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