今年6月に閉館した下北沢南口の映画館「シネマアートン下北沢」の元支配人・岩本光弘さんが配給に協力している映画「島の色 静かな声」が、東京国際映画祭(TIFF)の「natural TIFF」部門に選ばれ、10月22日・25日、六本木会場で上映される。
スイスを拠点に活躍する写真家の茂木綾子さん監督による同作は、沖縄の西表島でアトリエ「紅露工房」を営む染織作家の石垣昭子さんと三線奏者の石垣金星さんを被写体にしたドキュメンタリー映画。茂木さんの夫で映像作家のヴェルナー・ペンツェルさんも一部撮影を担当し、「色」をテーマに伝統技術・伝統芸能の継承に努める夫婦の日常を淡々と追っていく。
同作は当初、シネマアートン下北沢での劇場初公開を予定していた。岩本さんは「粗編集されたものと写真で構成された企画書を見て、上映を即決した。被写体との距離感が心地よく、エコロジーというブームに捕らわれない点に引かれた」と話す。
公開予定は同館閉館のために白紙になっていたが、今回「自然と人間の共存」をテーマに新設されたTIFFの「natural TIFF」部門に選ばれた。旧作・名作17本とともに特集される、世界で話題の新作10本のうちの1本として初めて一般公開される。
上映開始は10月22日10時50分~(シネマート六本木)、25日20時10分~(TOHOシネマズ 六本木ヒルズ)。上映時間は75分。チケットは全席1,300円。25日は文筆家の大竹昭子さんらを迎えたティーチ・インも行う予定。