下北沢のあずま通りで5月6日、森内俊之名人が81人を相手に行う「森内名人81面指し」が行われた。
この試みは、縁台将棋大会「第2回シモキタ将棋名人戦」の一環。一番街商店街では「どうぶつしょうぎ名人戦」、北口駅前の空き地では地域の住民らが参加したトーナメント戦も行われた。観戦者を含め、3000人(主催者発表)が集まった。
81面指しが始まったのは14時。約50メートルにわたって並べた机に3~70歳までの参加者が並び、森内名人と対戦した。森内名人は飛車や角を持たない「駒落ち」で闘い、小学生の男の子を相手に「負けました」という姿も。
観戦していた書店「フィクショネス」(世田谷区北沢2)の店主で小説家の藤谷治さんは「名人がにっこり笑いながら『負けました』と言ったり、勝っても相手を褒めていたりしていたところが感動的だった。みんな『名人と指せてうれしい』という気持ちが出ていて、将棋の面白いところがすごくクローズアップされていたと思う」と話す。
好評を受け、第3回は秋ごろに予定しているという。