下北沢北口の「下北沢アレイホール」(世田谷区北沢2、TEL 03-3486-1086)で2月10日、「第9回ニート祭り 小劇場 いつもこころにニートのかけらを」が行われる。
主催は、ニートやひきこもりの再出発を支援するNPO法人「ニュースタート事務局」(千葉県浦安市)。昨年、同会場で行った公演やトークライブには約50人が来場した。今年は20~30代の出演者が、「特定ニート保護法」が強行可決された架空の日本を舞台にしたコメディー劇を演じる。出演者にお中にはニートやひきこもりだった経験を持つ若者も。
脚本を手掛けたのは同NPO事務局スタッフで主催者の中本英彦さん(42)。中本さん自身も、上智大学を卒業後、ニートだった経験を持つ。若者に対するバッシングとして使われることもある「ニート」という言葉を当事者の目線から発信していきたいという気持ちがあったが、「ニート祭りは、正直あまりうまくいったことがない」とも。「『良かったよ』と言われたことはあまりない。ニートの人から、『ばかにしないで』と抗議されたこともある」と振り返る。
今回は「面白くすることで笑ってもらった方がいい。ニートだった人でも、こんなに面白いことができるとわかってもらいたい」という思いから、コメディー劇を行うことになったという。
「ニートは競争力がない、ビジネスに向かないと言われるけれど、良いところもある。例えば、そういった経験をした若者だからこそ周囲に寛容だし、人とのコミュニケーションでズカズカ入り込まなくても相手を理解する優しさがある。料理がうまいなど生活力も高い。一つの仕事を粘り強く続ける人も多く、即戦力ではないけれど長い目で見ればタフなのでは。タイトルには『ニートだったことをなかったことのように生きないほうがいい』という思いを込めた。誰もがニートになる可能性がある世の中で、彼らと接していて感じるそういったことを少しでも知ってもらえれば」(中本さん)。
開場18時、開演19時。劇は30分程度で、終了後は若者たちによるトークライブを予定。参加費500円。同NPOのホームページで予約方法を確認できる。