本多劇場（世田谷区北沢2、TEL 03-3468-0030）で9月1日より、篠井英介さん、ラサール石井さんらが出演する喜劇「狐狸狐狸（こりこり）ばなし」の上演が始まる。企画制作を手がけるのはトム・プロジェクト（渋谷区）。

　「狐狸狐狸ばなし」は1961年に劇作家北条秀司さんの演出で上演。当初から傑作と名高く、商業演劇、新派劇、歌舞伎でも度々再演される人気作品。江戸を舞台にして、狐と狸の騙し合いを発端に人間の際限ない欲望を描いている。

　今回は2004年に同劇場で行われた公演と、演出・メーンキャストが同じ。「最も旬な小劇場界の演出家、俳優が再度集まった」とトム・プロジェクトの岡田社長は話す。演出に「ナイロン100℃」を主宰するケラリーノ・サンドロヴィッチさんを迎え、現代的な解釈を加えた。主演のおきわ役を演じるのは現代演劇の女形として名高い篠井さん。その夫役、最近では俳優業にとどまらず脚本・演出も手がけることが多い、タレントのラサール石井さん。おきわの不倫相手である寺の住職役を、吉本興業所属のお笑いタレント、板尾創路さんが演じている。

　トム・プロジェクトは、創作劇を中心にプロデュースを手がける企画制作会社。1994年から主に一人芝居のプロデュース公演を行い、作品には戸川純さん、片桐はいりさん、佐野史郎さん、風間杜夫さんらの一人芝居がある。観る側と作る側が「夢」を持てる舞台を「吐」き続けたいとの想いから、トム（吐夢）・プロジェクトと命名したという。

　篠井さんは「下北沢は私にとって仕事場。訪れるたびに緊張で背筋が伸びる、愛すべき街。今回は前回公演から3年経ったことで、さらに年を取って柔らかみ、まろやかさを増したおきわを演じたいと思う」と話している。

　入場料は前売＝5,000円、当日＝5,500円。上演は9月9日まで。

本多劇場トム・プロジェクト