下北沢を拠点に活動する「劇団フルタ丸」が9月、新事務所を設立しウェブラジオの新番組も始まった。
2002(平成14)年、明治大学文学部文学科演劇学専攻のクラスメートで結成した同劇団は、2008(平成20)年から下北沢を拠点に活動を展開。今年8月にメンバーの宮内勇輝さんと工藤優太さんが退団し、現在は残った4人で新体制を発足。準劇団員として新たに山田伊久磨さんも迎えた。9月には劇団事務所「エンピツ」を設立。劇団員による活動日誌を「note」で発信するほか、ウェブラジオ番組「フルタ丸のラジオみたいなやつ」の配信を始めた。
代表のフルタジュンさんは劇団全作品の作・演出を担当しており、大学在学中にTBSラジオ「JUNK『さまぁ~ずの逆にアレだろ!!』」で構成作家の活動を始めた。
「フルタ丸のラジオみたいなやつ」は劇団員が下北沢の事務所で収録しており、水曜と日曜の週2回、同劇団の「note」で配信する。
新たなスタートを切り、フルタさんは「21歳で劇団を旗揚げした時に近い、どうなるか分からない感がある。ここ10年くらい安定した活動を続けながら、本当はこのどうなるか分からないという状況をずっと待っていたような気もする。物語もそうだが、先の展開が読めるとつまらない。この感覚を楽しみながら全力でやっていきたい。劇団の状態や本音を伝えるには、粉飾することができないラジオがベストだと思い始めた。楽しんでやっている」と話す。
同劇団は、「劇団フルタ丸」名義による本公演やコラボ公演のシリーズと、「FURUTAMARU.」名義による3人芝居シリーズの、2つの公演形態を持つ。今後の活動について「まずは4人になった劇団メンバーで『劇団フルタ丸』での公演をやりたい。『FURUTAMARU.』も新作の創作が始まっている。普段、演劇を見ない人や子どもから大人までが楽しめる間口の広い作品にする予定」とフルタさん。
「コロナ禍で活動が制限されていた中、フルタ丸として考える時間がたくさんあったことはよかったと思う。今一度、フルタ丸がやりたいこと、やっていくべきことはフルタ丸にしかできない演劇作品を作ることだと分かったから非常にシンプルだった。また劇場で楽しんでもらえる日にむけて動き出したい。noteでの活動報告やラジオ配信を通じて、そこに向かっていくわれわれどうか丸ごと楽しんでほしい」とも。