下北沢南口の短編映画館「トリウッド」(世田谷区代沢5、TEL 03-3414-0433)は3月8日より、上方歌舞伎の継承者として名高い十三代目片岡仁左衛門さんの姿を記録した映画「歌舞伎役者 片岡仁左衛門」を上映する。
同作品は、上方歌舞伎の役者で、当たり役に「菅原伝授手習鑑」の菅丞相、「忠臣蔵」の大星由良之助などを持つ十三代目片岡仁左衛門さんの晩年を記録したもの。84歳から亡くなる90歳までの舞台や生活を撮影し、全6巻10時間41分からなる「超長編」ドキュメンタリー映画にまとめ上げた。演出は羽田澄子さん。
十三代目片岡仁左衛門さんは1903年生まれ。2歳で初舞台を踏んでから1994年に90歳で亡くなるまで現役の役者として活躍した。「舞台の姿は信じがたい美しさと覇気に満ち」(羽田さん)、超一流でありながらも、日常の稽古や舞台を通して芸を磨き続け自分の道を追求し続けたという。
若手の短編映画を専門に上映している同館が今回、同長編作品を上映するに至った経緯について、代表の大槻さんは「この映画館を開いた当時、短編映画が面白くても『短いから』という理由で普通の映画館で上映されにくいという現実があった。小説や音楽CDに短編・長編、シングル・アルバムがあるように、短編映画を短編映画として楽しめるようになればと場を提供した。この作品もとても面白いのに『長い』という理由で上映される機会が少なくもったいないと思った」と話している。
上映作品は、若鮎の巻、人と芸の巻(上・中・下)、孫右衛門の巻、登仙の巻の全6巻。上映時間は12時30分、14時30分、16時30分、20時。6巻を日替わりで上映する(火曜定休)。日曜・水曜・金曜の14時30分の回は14時25分に、16時30分の回は16時に変更上映。料金は1作品=1,300円、3作品=3,000円。3月28日まで。