下北沢成徳高校(世田谷区代田6)の卒業生で、バレーボールの元日本代表候補だった故・横山友美佳(よこやま・ゆみか)さんの手記「明日もまた生きていこう 十八歳でがん宣告を受けた私」(マガジンハウス)が5月22日、出版された。
横山さんは、現日本代表で同校出身の木村沙織さんの1年後輩にあたる。2004年、高校2年の春に、木村さんとともに日本代表に初選出。全日本シニア登録選手として、ワールドグランプリにも最年少メンバーとして出場し、187センチの長身から打たれるスパイクに定評があった。だが、2005年3月、日本代表合宿に召集された日にがんを発症していることが発覚。今年4月17日に21歳の若さで永眠した。
横山さんが病室で書きつづった手記がマガジンハウス編集部に持ち込まれたのは今年3月。何とか出版したいと考え出版社を探していた担当の看護師の一人が、偶然、同社の編集者と知り合ったことがきっかけだったという。話を聞いた書籍編集者がすぐに企画を出し、持ち込みから1週間足らずで出版化が決定した。
担当編集者は「後から知った話だが、編集部が原稿を確認すると聞いた友美佳さんは、打ち込み途中だった手書きの原稿を2日間で打ち直してくれた」と話す。発病し、下北沢成徳高校を自主退学してからも病床で勉強を続け、早稲田大学の一般入試に合格した横山さんだが、「手書きのノートには赤字(で推敲した文字)がびっしり入っていた。こんなことからも努力家だった彼女の人柄がわかるのでは」(担当編集者)。横山さんは「この作品が店頭に並ぶことが私の最後の夢」と話していたという。
担当編集者は「友美佳さんはとても頭の良い面と、21歳の女の子らしいかわいい面の両方を持っていて、一緒に本を作っていてとても楽しかった。作品を読んで、夢を叶えるために一生懸命だった彼女のことを知ってもらえれば」と話す。
同書には、横山さんの親友だったという木村さんからの寄稿も掲載する。価格は1,365円。