下北沢北口の北沢タウンホール(世田谷区北沢2)で7月20日、「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」(港区)がイベント「長井さんビデオIN下北沢」を開いた。
同会は、ミャンマーで軍事政権に対するデモの取材中に射殺された映像ジャーナリストの長井健司さんと親交のあったメディア関係者ら有志によって昨年10月に結成された。長井さんが使っていたビデオカメラとテープの返却をミャンマーに求め、現在までに約7万人の抗議署名を集めている。
同イベントは、長井さんによる取材映像の上映のほか、同会代表でジャーナリストの木下黄太さんとゲストのトークにより、長井さんが残した仕事や最前線での取材の意味、マスメディアの問題などについて考える企画。
当日は、徹底した現場主義を貫いた長井さんがパレスチナ・イラク・広島などで撮影した映像を約30分間上映。続いて、著述家で宗教学者の島田裕巳さんが、銃撃され、路上に倒れた長井さんの姿をとらえたピューリッツア賞受賞の写真や、今回の件に関する仏教国ミャンマーの市民の反応について語った。最後は、木下さんが長井さんの生前の仕事ぶりを紹介しながら、日本のジャーナリズムの問題点を指摘。「ビデオカメラとテープを取り戻し、彼が何をしようとしていたのか、その行為の意味を明確にしたい」と締めくくった。
同イベントは今後、調布(7月23日)、自由が丘(同30日)など、都内14カ所で開催予定。参加予約は同会(TEL 03-3746-0065、平日13時~21時)まで。