NPO法人「POSSE」(世田谷区)は7月21日、下北沢北口の代沢東地区会館(世田谷区代沢1、TEL 03-5478-8045)でイベント「ハケンと秋葉原殺傷事件」を行った。
フリーターや学生のスタッフで構成される同法人は2006年9月の発足以来、下北沢を拠点に若者の「働くこと」に関する問題に取り組んでいる。主な活動は労働トラブルの相談受け付け、フリーペーパーの発行、シンポジウムの開催など。
同イベントは、6月8日に起きた秋葉原殺傷事件の容疑者が派遣労働者であったことによって注目されている、派遣労働の問題について考える企画。講師には、朝日新聞社労働グループ記者で編集委員の竹信三恵子さん、「『若者論』を疑え!」などの著作で知られる評論家の後藤和智さん、NPO法人「ガテン系連帯」代表の池田一慶さんを招いた。
派遣労働の問題が特定の世代のものだけではなくなりつつある状況の分析、若者について論じるポストモダン的言説への批判、派遣労働者の労働環境の実態とそれを改善する運動の成果などの話に、約50人の参加者が熱心に耳を傾けていた。
最後はPOSSE代表の今野晴貴さんが司会を務め座談会が行われた。今野さんはマクロな労働市場政策を提案する必要性を訴えつつ、「状況が良くないと言うだけでは駄目。真剣に議論する場が必要だし、何人かが本気で動けば状況は変わる」と締めくくった。
当日の模様は、同法人が9月7日に創刊する雑誌「POSSE」に掲載予定。