下北沢南口の映画館「トリウッド」(世田谷区代沢5、TEL 03-3414-0433)で9月13日より、特集上映「海外アートアニメーション@トリウッド2008秋」が始まる。
同イベントは2000年から始まり、ヨーロッパ、北米、南米など、海外のアート志向の短編を中心にアニメーション約300本を紹介してきた。主催のオフィスH(アッシュ)・伊藤裕美さんは「日本では海外の短編アニメがまとめて定期的に上映される機会がなかなかないので、逆に注目されていると思う」と手応えを語る。
14回目の今回は期間中、スウェーデンの気鋭エーリック・ローゼンルンド監督がトークイベント(9月22日・26日開催)のゲストとして来日。同監督はコミックス作家として活躍しながら制作した2本目のアニメーションがカンヌ国際映画祭の批評家週間部門に選出された注目の作家。「日本と海外の環境の違いや、日本でも増えつつあるインディペンデント作家の可能性についてなど、学生や若い方にとっても刺激的な話になるはず」(伊藤さん)。
約1カ月間にわたり、上映される作品はA~Dプログラムの計26本。A~Cプログラムは「北欧ショートアニメーション特集」。これまで日本ではあまりなじみのなかったスウェーデンとフィンランドから、ローゼンルンド監督によるカンヌ映画祭出品作「鏡の中に」「強迫観念」ほか、伝統的手法によるものからデジタル技術が駆使されるものまで、新進作家の多様な19本を紹介する。
Dプログラムの「CAF 9-カナダ・アニメーション・フェスティバル」は、カナダ国立映画制作庁と独立系作家や新進作家とのコラボレーション作品を紹介する同館で9回目の特集。注目は昨年度アカデミー賞の最優秀短編アニメーション賞を受賞し、日本で初めて一般公開されるトーリル・コーヴェ監督の「デンマークの詩人」と「王様のシャツにアイロンをかけたのは、わたしのおばあちゃん」。そのほか、クロード・クルティエル監督の「新説・眠れる森の美女」やジョディ・サミュエルソン監督の「ボブおじさんのお見舞い」、そして同国の若手作家支援プログラム「Hothouse(ホットハウス)」から生まれた3本。
料金は、前売り1回券=800円、2回券=1,400円ほか。10月10日まで。