下北沢南口の金子ボクシングジム(世田谷区北沢1、TEL 03-3460-8353)に所属する日本フライ級王者の清水智信選手が12月23日、両国国技館(墨田区)で同級暫定王者の五十嵐俊幸選手(帝拳)とタイトル統一戦を行う。
清水選手は7月に内藤大助選手(宮田)とWBC世界フライ級タイトルマッチを行い、接戦を有利に進めたが、10ラウンドKOで敗れている。「勝負の分かれ目と考えていた9ラウンドを獲ったと確信した。集中はしていたが、そのとき心のゆるみが生まれたのかも。悔しかった」(清水選手)。試合後は落ち込み、引退も考えたという。「いい試合をしたと言われても、勝たなければ意味がない。注目され、プレッシャーがかかる一戦を、あそこまで作戦通りに進めながら、一番やってはいけないことをやってしまった」と振り返る。
今回の対戦相手、五十嵐選手は東京農業大学(桜丘1)時代の2年後輩。日本タイトルを保持する清水選手が世界タイトルマッチを優先したために設けられた暫定王者決定戦で、8月に暫定王座を獲得している。アテネオリンピックにも唯一の日本代表として出場した強敵だ。
清水選手は「(五十嵐選手は)かわいい後輩であると同時にリーグ戦で活躍してくれた心強いチームメイト。プロになってから気持ちが強くなったと思う。ただ、大学時代は階級も違うし、戦うとは思ってなかった」と明かす。さらに初防衛戦でもある試合に向けて「負けたくないという気持ちが強い方が勝つでしょう。僕自身、ああいう負け方をしてしまった後の試合なので、自分の気持ちをどう高めるかが鍵になる。油断はしてないが、モチベーションが足りていないかもしれないという不安がないとは言えない。それを解消するためには練習しかない」と自らを鼓舞するように語る。
五十嵐選手にとってはステップアップのための大きなチャンス。清水選手にとっては世界再挑戦に向けて落とせない重要な再起戦だ。
開場時間は15時、開演時間は16時。料金はS指定席10,500円など。当日のメーンは内藤選手と山口真吾選手(渡嘉敷)のWBC世界フライ級タイトルマッチ。