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取り壊しを控えた駅前食品市場内の店舗でライブイベント-下北沢で

長谷さんは27歳。アートプロジェクトのイベンターやパフォーマーとして活動している

長谷さんは27歳。アートプロジェクトのイベンターやパフォーマーとして活動している

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 下北沢北口の駅前食品市場で1月31日、閉店する店舗を利用したライブペイントが行われた。

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 ライブイベントを行ったのは、「namGallery」(世田谷区大原1)主宰のアートプロジェクトイベンター、長谷英治さん。長谷さんは12月に駅前食品市場内の空き店舗に、「下北沢駅前食品市場×namGalleryの店」(世田谷区北沢2)を期間限定でオープン。再開発による取り壊しを控えた駅前食品市場では閉店する店が相次いでおり、同店ではこれらの店の木材を使った椅子(3,500円~)や、布看板を使ったシャツ(3,500円)、下北沢周辺で活動するアーティストの制作した雑貨などを販売した。1月23日に閉店したが、100脚用意した椅子は完売。シャツも買い取り手が現れたという。同店をオープンした理由について、長谷さんは「再開発に賛成でも反対でもない立場から活動を行ってみたいと思った。再開発で混沌とした下北沢で、アートがすべてのしがらみをぶち壊せると思ったから」と話す。

 ライブイベントは閉店を記念して行ったもので、長谷さん自身が店舗の壁に3つの十字架やキリストを描いた。「宗教画のつもりで描いた。あと数時間で建物の賃貸期限が切れるので、この絵もシャッターの向こうに隠れてしまう。『宗教画を壊すのは暴力の最大の表現』だという意味を込めた」(長谷さん)。

 約1カ月半にわたって店に立ち、下北沢を行き交う人々と交流した長谷さん。「駅前食品市場がなくなることを知らない人も多く、『ショックだ』という人もいた」と話す。ライブイベントを行った印象については、「下北沢はアートの受け入れ体勢が強い街。逆に言うと、パフォーマーが何かしても新鮮さが少ない。反響があるようでないと感じたことが発見だった。全てを受け入れる寛大さがある印象があるこの街は、実は全てを気にしない鈍感さも持っているのでは。それが、再開発問題に至った原因の一つなのかもしれないと感じた」とも。

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