下北沢の劇場ザ・スズナリ(世田谷区北沢1、TEL 03-3469-0511)で10月20日より、「劇団燐光群」による演劇「ワールド・トレード・センター」が上演される。ニューヨークで起きた9.11事件を元にした新作となる。
作・演出を担当するのは、同劇団主宰の坂手洋二さん。坂手さんは、事件当時も含めた7年間、ニューヨークの情報誌「OCN NEWS」で時評を担当しており、その体験が同作の題材選びに大きく影響しているという。事件から6年が経った今、この事件を取り上げたことについて「テロ特別措置法継続や、それにかかわる首相交代劇など、今の日本の姿と照らし合わせながら、改めてこの問題を語るべき時期になったから」(坂手さん)と話す。同劇場を皮切りに全国7カ所での上演を行う予定。
客演として、実際に9.11事件を体験したニューヨークの舞台を中心に活躍する俳優のエド・バサロさんも参加。坂手さんの戯曲「屋根裏」がニューヨークのオフ・ブロードウェイで上演された際にエドさんが出演していたのが縁で今回のキャスティングが実現した。
坂手さんは「自分たちがこの時代の当事者であることを知ってほしい。俳優は、自分が感じていることを観客も感じ取ってくれるものだと信じて、自分の感受性をフルに引き出してほしい。今を生きる人間が引き受けるべき問題としての劇を提示する」と話す。
チケットは、前売り=3,300円、当日=3,600円。上演は11月6日まで。10月23~26日の夜の回上演後にはゲストを迎えたアフタートークイベントも行う。