「身体」をテーマにせりふを一切排した映画-下北沢で上映

言葉でなく、インパクトのある美しい映像と音楽で物語る作品

言葉でなく、インパクトのある美しい映像と音楽で物語る作品

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 下北沢の映画館シネマアートン(世田谷区北沢1、TEL 03-5452-1400)で12月8日、「身体」をテーマに制作された映画「ホッテントットエプロン-スケッチ」が公開される。

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 メガホンをとったのは、今作が劇場公開3作目となる七里圭(しちり・けい)監督。同作は、愛知芸術文化センターの委嘱により、「身体」をテーマに2006年に制作されたもの。同年ヨーロッパメディアアートフェスティバルで、マシュー・バーニーなど現代美術家の映像作品とともに上映された後、同館のアートコレクションとして所蔵される。

 同作の原案は、身体にアザのある少女を主題にしたある詩。七里監督は「詩から発想を得た作品だから、多くの言葉ではなく映像で物語りたい」とし、一切のせりふを排した。コンプレックスを抱えた一人の少女の心の旅を、セリフの代わりに端正な光の陰影や非現実的な映像美と、ハープやクラリネット、オルガンなどの音楽で描き、独特の世界を作り上げている。

 「映画の表現方法にもいろいろなバリエーションがあっていい。ライブ感のある映画もアリと思った」(七里監督)の言葉通り、2006年秋に秋葉原で、生のオーケストラの演奏にのせて映画を上映するイベントを行ったところ反響を呼んだ。前作の「眠り姫」の時にも、映画に合わせて生演奏をするライブイベントを北沢タウンホールで行ったところ立ち見を含む200人以上の観客が集まったという。

 七里監督は「下北沢はとんがったことを発信しても、それを受け取ってくれる人が多く集まっている。映画の主人公と同じ若い女性や、美術館・本屋巡りが好きな人に見てほしい」と話す。プロデューサーの藤田さんは「監督の作品には、映像の色気がある。映画を見るということは、泣いたり笑ったりするだけでなく、衝撃を受けたり何かを考えたりすることであってもいいはず。暗闇の中でこの作品を『体験』して」とも。

 上映は20時30分から。料金は1,500円。12月14日まで。前作の「眠り姫」もユーロスペース(渋谷区)で12月14日まで上映中。

ホッテントットエプロンスケッチ眠り姫

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