下北沢南口の映画館「トリウッド」(世田谷区代沢5、TEL 03-3414-0433)で、専門学校「東京ビジュアルアーツ」の学生・深井朝子さんの初監督映画「梅田優子の告白」が上映されている。
同作は、昼は牛丼屋、夜はセクシーキャバクラで働き、出会った男性と次々に体を重ねていく主人公が、ある中年男性に不器用な恋をする物語。脚本・監督を務める深井さん自身や友人たちの体験が反映されたエピソードや、20歳のデビュー作とは思えない完成度が注目され、単館公開ながら、口コミを中心に話題を呼んでいる。
同作は2006年から始まる「トリウッドスタジオプロジェクト」の第3弾として製作された。トリウッドと東京ビジュアルアーツによる同プロジェクトは、「学生による商業映画製作」をコンセプトに、企画・制作・宣伝などのすべてを同校生が担当し、映画の劇場公開とDVD化を実現している。
プロジェクトマネージャーを務める同館代表の大槻貴宏さんは「学生には映画が完成するだけで満足してしまう傾向があるが、『お金を払って見てもらう映画』の製作と公開を通して、『見せなくてはいけない』という覚悟を確立してもらいたい。プロジェクトとしては才能の発掘よりも、継続的な展開を重視している」と話す。また、同作について「脚本の時点で、せりふが良く、キャラクターが描けていると思った。格好悪いところを含め、等身大の自分を見せている点が共感されているのかも」と手応えを明かす。
入場料は900円。火曜休館。同作の上映は11月14日まで。