早世の漫画家・山田花子さん-下北沢で個展、復刻本の販売も

「山田花子にまつわるいろいろなものを展示したい」と塚本さん

「山田花子にまつわるいろいろなものを展示したい」と塚本さん

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 下北沢南口のギャラリー「Shimokita Art Space(下北アートスペース)」(世田谷区北沢2、TEL 03-5433-4502)で7月21日から、漫画家・山田花子さんの個展「山田花子展」が開催される。

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 同展は、7月に山田さんの復刻本「改訂版 魂のアソコ」(青林工藝社)の発売を記念するもの。山田さんは15歳で漫画家デビュー後、雑誌「なかよしDX」(講談社)や「ヤングマガジン」(同)などで連載をしていた。自身が経験したいじめなどをテーマに扱い、熱狂的なファンを獲得。その後、1992年に統合失調症を患い入院し、同年24歳で自ら命を絶った。

 同展は、特定非営利活動法人「映画美学校」(中央区)に通う塚本進さんが企画した。塚本さんは山田さんと同年代で、山田さんの生前から連載漫画を読んでいたという。昨年末、塚本さんは、学校の課題の一環として「山田花子ドキュメンタリー」を撮影することを決意。制作過程で青林工藝社に取材を行った際に復刻本の発売を知り、同展開催を考えた。

 「自殺やいじめなどのイメージが先行してしまいがちな故人だが、作品がもっと評価されるべきなのでは。漫画をたくさんの人に読んでもらい、純粋に楽しんでほしい」(塚本さん)。その作風については、「人間が誰でも持っている『嫌な部分』をありのままにとらえ、痛烈に、ユニークに描写している。いじめなど暗いテーマを扱っているものが多いが、その中に笑いがあって、救いがある芸術」と話す。

 同展では、漫画の原稿のほかに、幼少のころに書き残した絵画なども展示する。復刻本に加え、過去に発行された全単行本を会場で販売する予定。

 塚本さんは「たくさんの人であふれる下北沢。山田花子の作品を知らない人にも、ギャラリーの前を通ったことをきっかけとして興味を持ってもらえたらうれしい」とも。

 開催時間は10時~20時。今月26日まで。

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