直木賞作家・連城三紀彦の同名短編小説を映画化した「棚の隅」が3月17日より、シネマアートン下北沢(世田谷区北沢1、TEL 03-5452-1400)で公開される。公開初回の上映前には、主役を務めた大杉漣さんや門井肇監督らによる舞台挨拶も行われる。
同作品は、前妻と妻、子どもとの間で葛藤する1人の男の姿を通じて、家族の絆や夫婦の愛情を静かに描き出した映画。すでに映画化されている男女の愛憎を題材にした「もどり川」や「恋文」など、ほかの連城作品とひと味違うものとなった。
映画化を実現したのは、多感な頃から作品を愛読していたという小池プロデューサー。この映画を作るために書籍編集者を辞め、同作品が初プロデュースとなる。制作費は500万円。熱意ある交渉で、「NANA」などを手がけた撮影の鈴木一博さんら一流のスタッフを口説き落とし、日本映画界を代表する俳優大杉漣さんを主役に迎えることに成功。構想から丸6年をかけて今回の公開を迎えたという。
小池プロデューサーは「名もない自分の熱意が通じて憧れが形になった。家族がトラブルを乗り越えていく姿に、大切なものを再確認してほしい」と話している。
初日舞台挨拶は14時10分より先着順で入場。鑑賞料は、一般=1,800円。上映は4月13日まで。