環七通り沿いのラーメン店「なんでんかんでん 東京本店」(世田谷区羽根木1、TEL 03-3322-2539)が11月5日深夜、25年間の営業に幕を閉じた。
同店は1987(昭和62)年にオープンして以来、東京にとんこつラーメンを根付かせ、ラーメンブームの一端を担った。閉店はテナントの契約更新切れのため。
最終日の閉店時間は、通常通り深夜3時。終電が過ぎても行列は途切れず、雨の中傘を差して並ぶ客の姿も。なんでんかんでんフーズの名物社長、川原浩史さんも店舗を訪れ「今日は合計1100玉分が完売した。寒い中訪れてくれて感謝したい」と笑顔を見せた。
開店当時から通っているという常連客の加藤さんは「社長が持つ九州人独特の『ばか』なところは最初から変わっていない。開店1年後に行列ができたときはこの男に時代が追い付いたと思った。寂しいが、閉店おめでとうと言いたい」と振り返った。
同店からほど近い場所で営業するラーメン店「BASSANOVA(バサノバ)」の島本店長は「ライバルというより仲間だった。このとんこつのにおいをもっと嗅ぎたい」。店を手伝うこともあったという川原社長の長女、桂子さんも落語研究サークルの仲間と共に来店し「閉店は寂しい」と語った。
「この環七沿いの店舗での役割は十分に果たしたと思う。夜の車相手の時代は終わり、次の時代に向けて新しい経営方針に移行するつもり」(川原社長)。
来年2月をめどに、新店舗の「なんでんかんでんラーメン酒場」を同店近くに出店予定。本格的なフランチャイズ展開を見据えるという。