カンヌ国際映画祭への出品や、数々のフィルムフェスティバルでの受賞経験を持つ山崎幹夫監督と山田勇男監督が6月14日より、下北沢のアトリエ「LA CAMERA」(世田谷区代沢4、TEL 03-3413-9422)で新作映画上映会「シネマフォーアイズ」を開催する。
今回のイベントは、同アトリエが野木坂にあった1992年から約15年にわたって二人の監督がプログラムを企画している恒例イベント。当初は月に一度だったが、2000年にギャラリーが下北沢へ移動した後は年に2回のペースで上映を続けている。今回上映されるのは「銀河のどんぶり直し」「夜の心」(山崎監督)、「アフンルパル」「木犀草の下にまつ毛を伏せて」(山田監督)の4作品。いずれも二人が得意とする8ミリフィルムを使って撮影された新作。
両監督は、別々の自主映画団体を主宰していた1970年代に札幌で出会った。山田監督は1974年に演劇実験室天井桟敷に入団し、寺山修司監督作品の映画で美術や衣装デザインを担当。8ミリフィルム作品を中心に、「気配」をモチーフにして作品を作り続けている。また、山崎監督は「自分が感じる作家であるのに対して、ストーリーを大切にして考え、構築していくタイプ」(山田監督)で、ストイックでこだわりある視点の作風が特徴。現在では8ミリフィルムのワークショップや大学でも授業を受け持ち、若い世代にも人気がある。
山田監督は8ミリフィルムにこだわる理由について「フィルムはポジを光に透かしてみると、ガラスのかけらのようにそこにシーンが見える。それがモノづくりの原点だと思っている。発見は失敗とともにあるはずなのに、デジタルには失敗がない。僕にとっては失敗のリアリティが生きている喜びだから」と話している。
チケットは1,000円(当日券のみ)。プログラムは山崎監督2作品を上映するAプログラムと、山田監督のBプログラムがある。上映は23日まで。