明大前で出版・印刷を行う「七月堂」(世田谷区松原2、TEL 03-3325-5717)が4月末、社内の一角に古本店「七月堂 古書部」をオープンする。
今年で創業43年目を迎える同社は、学会誌・大学紀要などの印刷や、詩集など主に文芸関係の出版を行ってきた。「仕事上でお付き合いさせていただいている翻訳家や詩人などが、値段をつけてもらえない古書や原書の処分に困っていたことから、古本屋を始められないかと思った」と、代表の知念明子さん。
社内の一角、2坪弱のスペースを使って展開する同書店では、店頭での買い取りはせず、縁故者を訪問して買い取りを行う。主に文芸関係を中心とした書籍を販売するほか、非売品(同社発行のもので、古書店で高価な価格がついているものなど)の閲覧コーナーなども設置。古本をただ売るだけではなく、同社と連携したイベントも行う予定だという。
「書籍や雑誌が捨てられてしまう前に、それを必要とする誰かの手に渡る手助けになれればうれしい」と知念さん。「今まで印刷や出版で本を世の中に送り出してきたが、これからは世の中から巡ってきた古本で古本屋をやる。印刷をし、本の形に仕上げ、書店やホームページで販売し、ちまたに放出される書籍を新たな読者の手元へ届けていく。この流れができて、初めて本当の意味で本屋になるのでは。そんな『本屋さん』でありたい」とも。
営業時間は10時~12時、13時~18時。土曜・日曜・祝日定休。正式なオープン日は、同社のホームページやツイッターで発表する。