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世田谷・経堂のラーメン店が3年ぶり、代々木上原で営業再開へ

「かも汁つけ麺」

「かも汁つけ麺」

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 世田谷区経堂で23年間、人気のラーメン店として親しまれてきた「季織亭」(渋谷区上原1、TEL 03-6323-0038)が3月19日、代々木上原で3年ぶりとなる営業を再開した。

川名秀則さん(左)と川名信子さん(右)

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 2014年2月に店舗建屋の老朽化により一時閉店していた同店。営業再開に当たっては、経堂時代の常連客の支援と、クラウドファンディングによる支援金200万円が活用された。店主の川名さんによると、クラウドファンディングを活用したラーメン店復刻の事例は、ラーメン業界史上2例目という。

 店長の川名秀則さんはこれまで、昼は弁当店で夜はラーメン店という「二毛作スタイル」の業態をラーメン業界で初めて大々的に取り入れるなど、先駆的な取り組みを積極的に行ってきた。今年64歳を迎える川名さんは「今回のクラウドファンド活用も、もともと新しいものが好きで、クラウドファンディングサービスが始まったころからどういう成功事例があるのかをチェックしていたため、導入に抵抗はなかった」と振り返る。

 新店のメニューは、経堂時代から大幅にリニューアルした。秀則さんの妻で同店を切り盛りする信子さんは「新店はコースでラーメンを楽しんでいただくスタイルがメイン」と話す。

 コースは、「手打ち小麦蕎麦懐石コース1」(前菜3種、玉子かけご飯、麺類3種、デザート付き=3,800円)など。「麺類3種」は3つ合わせて1杯分ほどの分量。ラーメンの単品メニューは「小麦そば つけ」(1,300円)、「季節の小麦そば つけ」、「変わり小麦そば」(以上1,500円)などを用意する。

 「ラーメンに使う素材や具材は強いこだわりを持っている」と話す秀則さん。麺は秋田県産の無農薬小麦粉と、ミネラル分が豊富という全粒粉を使い、具材は国内でも珍しいという「放牧豚」を使う。「日本の食文化の乱れに対して大きな危機感を持っている。当店のラーメンを通じて、多くの人が食に真剣に向き合うきっかけを作りたい」と意気込む。

 「新店は、自宅を改装した居職(いじょく)スタイルで展開する」とも。秀則さんは「居職は江戸時代の言葉で、家で仕事をするという意味。空き家ばかりが増える少子高齢化社会の今の日本で、このスタイルが浸透すれば地域や商店街ももっと活性化するはず」と話す。

 「クラウドファンド活用の事例よりも、自分が本当に伝えたいのは、食に向き合うことの大切さやこれからの地域のあり方への提案。今回のオープンで発信できたらうれしい」と笑顔を見せる。

 営業時間は、11時30分~14時。17時~22時。木曜定休。

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