下北沢のレコードショップ「DISC SHOP ZERO」(世田谷区北沢2)が5月末~6月初旬、閉店する。
英国ブリストルの音楽を中心とした独自のセレクトで、国内外のファンから愛されてきた同店。4月27日で27周年を迎えたが、今年2月に店主の飯島直樹さんが逝去。飯島さんが一人で切り盛りしてきた店だったため、友人たちが店の営業を再開しようと準備を進めていたが、新型コロナウイルスの影響で営業ができなくなり、閉店を決めた。
店内には飯島さんがセレクトしたCDやレコードの在庫が大量に残っており、それらを販売するために5月1日、クラウドファンディングを開始。支援のリターンには在庫のレコードやCDのほか、E-jimaさんやRSD a.k.a. Rob SmithさんのDJ MIX音源のダウンロードコード、同店のロゴTシャツなどを用意。募った支援金は閉店中の店舗家賃、買掛金の清算、原状復旧工事、その他閉店にかかる諸経費などに充てられる。
クラウドファンディングのページには多くのアーティストからメッセージが寄せられ、ロックバンド「サンボマスター」のボーカル&ギター 山口隆さんは「disc shop zero、そして飯島さんにはたくさんの音楽、それだけでなく、その背景にある景色、文化も教えていただきました。あの階段を登ってお店のドアを開けると、飯島さんの笑顔にまたお会いできるんじゃないかなぁ、なんて、飯島さんに薦めていただいたレコードを聴きなが考えたりしてます」(原文ママ)とコメントを寄せた。
支援募集開始から2日で目標額の150万円を集め、「正直、こんなに早い段階で目標金額を達成できるとは思っていなかったので、驚き胸が熱くなったのと同時に、これまでの彼の活動や思いに共感したり、敬意を表していたりした結果だと思っている。本当にありがたい」と妻の美和子さん。「移り変わりの激しい下北沢の地で15年以上続けてこられたのは、足を運んでくれた皆さまのおかげ。お店を閉じることは苦渋の決断だったし、ましてや最後はコロナ禍に見舞われ、思い描いていたものとは違う形となってしまった。それでも、本当に多くの方にサポートいただき、幸せな最後になったと思っている」とも。