第十回重森弘淹写真評論賞を受賞した小原真史さんの初監督映画「カメラになった男 写真家中平卓馬」が来年1月13日より、シネマアートン下北沢(世田谷区北沢1 TEL 03-5452-1400)で再々上映される。
同作は、小原監督が「生きる伝説」とも言われる写真家、中平卓馬さんに3年間密着したドキュメンタリー映画。病により過去の記憶と言葉をほとんど失った中平さんが日々の撮影を通じ、以前通っていた沖縄への記憶の断片を徐々に取り戻していく姿を描いている。
この映画は、同館の岩本光弘支配人が今年6月に公開された沖縄特集で上映作品の一つとして選んだもの。故人ではなく、現在も生き続ける伝説の写真家を追うという内容に多くの人が興味を示し、40席規模の客席が満員になることもしばしば。10月に再上映を行った際も補助席まで満員という状態が続いたため、今回のアンコール再上映が決定した。
小原監督が専門学校の講師を勤めていることもあり、鑑賞客は学生がメーン。普段同館に足を運ぶ鑑賞客より若い人が多いという。「この作品に時代性を感じた」という岩本支配人は、同館を訪れる客について「探究心のある人が多い。作品に興味を持ったらすぐここへ求めにきてくれる」と話している。今後は「ふらっと寄れる街の映画館」をコンセプトに、老若男女が気軽に足を運べるような映画館を目指したいと、今後の目標も語ってくれた。
上映時間は21時~。鑑賞料は、当日一般=1,500円、シニア・会員=1,000円ほか。1月26日までレイトショーで公開。