笑いの絶えない舞台づくりで知られる劇団「サモ・アリナンズ」(オフィス・サモアリ=武蔵野市、TEL 0422-21-7455)が舞台「昔の侍」を下北沢本多劇場(世田谷区北沢2)で上演した。上演は11月29日から12月3日まで。
1年半ぶりとなった今回の作品は、サモ・アリ初の時代劇。「時代劇とはいっても殺陣がない、ストーリー重視の舞台にしたかった」と語るのは座長の小松和重さん。役者のテンションを生かしたアドリブのような掛け合いと、サモ・アリ独自のはちゃめちゃな展開に笑いが絶えない舞台となり、楽日は当日券の売れ行きも大盛況。補助席までびっしりの観客で埋め尽くされた。
サモ・アリナンズは、小松さんと作・演出の倉森勝利さんが「やりたい時にやりたい役者を呼んで好きに公演しよう」というスタンスで1992年に旗揚げした劇団。「観ている時は面白いけど帰ったら中身が思い出せないという心に残らない芝居を一生懸命作っている」のだという。昨年4月に作・演出を務めていた倉森さんが急逝。そのため本作はゲストを呼ばずにサモ・アリのメンバーを中心に構成。原点に戻ったつもりで取り組んだ作品だという。脚本はサモ・アリに劇団員がよく客演している「猫のホテル」の千葉雅子さんが務めた。
座長の小松さんは芝居をやり始めた頃からザ・スズナリで公演するのが憧れだったという。企画書の審査などの関門を突破し、下北沢駅前劇場などを経てやっと念願のスズナリに立てたのが1998年の「ホームズ」。以降も下北沢を拠点に公演を続けている。そんな小松さんの次なる夢は、新宿コマ劇場。「どでかい看板に似てない似顔絵を描いてもらってそこで一緒に記念撮影すること」(小松さん)だという。
次回の公演はサモ・アリナンズがプロデュース、同劇団の劇団員が別名で出演する劇団「ワンダフルズ」の第2回公演。下北沢駅前劇場で2007年2月2日から6日まで上演予定。