ルーヴル美術館の研究員シリル・グイエットさんの講演「手で見る彫刻展-ルーヴル美術館の試み」が8月7日、砧公園内の世田谷美術館(世田谷区砧公園1、TEL 03-3415-6011)講堂で行われる。
フランス・ナント市出身のグイエットさんは1993年より、ルーヴル美術館で子どもや大人向けの教育プログラムの開発と実践に携わり、その後、障害をもつ来館者のためのプログラム開発に従事。2005年からは視覚障害者が鑑賞できる彫刻展をヨーロッパ各国で巡回している。
世田谷美術館では3年前から、フランス、イタリアの「手で触ることで見る」美術鑑賞の取り組みを紹介する講演を開いてきた。今回はその4回目。同館学芸員の塚田美紀さんは「目が見えない人が『見る』というのは、どういうことかを考えてほしい」と視覚障害者にかぎらず晴眼者にとっても、美術鑑賞について再考を促す啓発的な企画であることを強調する。
聴講者は年々増加しているという。同館では行われる展示について、盲学校の生徒の見学などでは、作家から許可された作品や野外彫刻を触って鑑賞してもらうなど、個別に対応しているという。
講演の参加費は500円(視覚障害者とその介助者は無料)。当日先着順150人まで。開場=13時30分、開演=14時。同時通訳付き。