映画「筆子・その愛-天使のピアノ」がシネマアートン下北沢(世田谷区北沢1 TEL 03-5452-1400)で1月20日より公開される。初回13時からの上映前には、主演女優の常盤貴子さんと山田火砂子監督による舞台挨拶も行われる。
同作品の舞台は、まだ社会福祉という言葉もなかった明治初頭。長崎県大村藩士の娘として生まれた筆子は、欧州留学後仏語教師として教育現場に立ちながら、女性の教育や地位向上に力を注いだ。その美貌と知性から「鹿鳴館の華」と呼ばれ活躍したが、その一方で、授かった娘3人のうち2人は知的障害を持ち、夫までをも35歳の若さで亡くしてしまう。しかし、娘の教育を通して日本で初めての知的障害者施設「滝乃川学園」を創設した石井亮一と出会い再婚、その後の人生を障害児教育に捧げ「障害児教育の母」と呼ばれるようになったという。
メガホンを取ったのは、筆子と同じく、自らも重度知的障害を持った娘の母親である山田火砂子さん。山田監督は「監督としてより障害児の母として一生懸命作った。よく福祉映画はつまらないから観たくないという声を聞くが、観た観客が辛い苦しい思いをするのは映画ではないと思っている。幅広い方に見てほしい」と話した。山田監督の娘さんも本編に子役として登場しているという。
初日舞台挨拶は12時30分から先着順で入場。上映は1日3回。鑑賞料は、一般=1,800円ほか。