筑摩書房(台東区蔵前)は11月12日、ミュージシャンの曽我部恵一さんが1999年に発行し、絶版になっていたエッセー「昨日・今日・明日」(角川書店)をちくま文庫で文庫化した。
曽我部さんは、1995年にロックバンド「サニーデイ・サービス」のボーカル兼ギタリストとしてデビュー。下北沢のライブハウスを中心に活動したが2000年に一時解散。その後、2008年に再結成した。2004年には、音楽レーベル「ローズ・レコード」を設立。小泉今日子さんやTOKIOなどさまざまなアーティストのプロデュースやソロ活動を行いながら、カフェ兼レコード店「CITY COUNTRY CITY(シティー・カントリー・シティー)」(世田谷区北沢2)を経営するなど、幅広い活動をみせている。
同書は曽我部さんが「月刊カドカワ」(角川書店)で約5年間続けた連載をまとめたもので、初エッセーとなる。思い出の音楽について語っているほか、日々感じていることや恋愛についても触れる。今回の文庫化にあたり、新たに3つの書き下ろしを加えた。
同書は2000年に在庫がなくなると同時に絶版となっていた。復刊の経緯について、編集を担当した筑摩書房の井口かおりさんは「独特の世界観を感じる曽我部さんの文章には、読む人を引きつける力がある。ぜひとも文庫化したいと思い、曽我部さんに話を持ちかけた」と話す。
発売日を前に、SNSやツイッターでは「ずっと読みたいと思っていた」「やっと手に入る」などの声も。井口さんは「ファンの方はもちろん、一人でも多くの人に曽我部さんの世界観を感じてもらいたい」と意欲をみせる。
価格は798円。