いとうせいこうさんと奥泉光さんが「文芸漫談」-テーマは三島由紀夫

「仮面の告白」の文庫本を片手にトークを繰り広げる、いとうせいこうさん(写真左)と奥泉光さん(写真右)

「仮面の告白」の文庫本を片手にトークを繰り広げる、いとうせいこうさん(写真左)と奥泉光さん(写真右)

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 タレントのいとうせいこうさんと作家の奥泉光さんによる文芸実践講座「文芸漫談シーズン3-傑作小説を笑うVol.6」が4月25日、下北沢南口の北沢タウンホール(世田谷区北沢2、TEL 03-5478-8006)で開催された。

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 同イベントは毎回一つの文学作品をテーマに、いとうさんと奥泉さんがそれぞれの視点で解説する漫談スタイルの講座。2007年7月にスタートして以来、ほぼ3カ月に一度のペースで行われてきた。今回は番外編を合わせて15回目の開催となる。中でも2007年9月に夏目漱石「坊ちゃん」を取り上げた回には約300人が訪れ、超満員となった。参加者にはリピーターが多く、テーマとなる文学作品を持参し内容を確認しながら聞く人も。

 今回のテーマは三島由紀夫の「仮面の告白」。同性愛をテーマにしたことで当時話題になった同作について、いとうさんは「現在のボーイズラブの先駆的存在。萌え要素がたくさん」と分析し、「少年時代、性に興味を持ち始めたときにありがちな妄想もいくつか見られる」と「ツッコミ」を入れた。「初めて読んだ三島作品は『豊饒の海』」という奥泉さんは主人公の女性と男性に対する態度に触れ、「男性に接するときに比べ、女性に対してやる気が違いすぎる」と指摘。2人のトークに、会場からは終始笑いや感心する声が上がっていた。

 同講座の企画・制作を担当するのはK・企画(代沢2)の菊地廣さん。「今の人たちの本離れを何とかしたい」という思いから2人に話を持ちかけたことがきっかけだったという。菊地さんは「『坊ちゃん』での超満員には手応えを感じた。今一番大変なのは、多忙な2人の3カ月先のスケジュールを押さえること」と笑う。「これからも多くの人に本を読む楽しさを広げていきたい」とも。

 次回開催は9月24日。これまでの漫談公演をまとめた「文芸漫談 笑うブンガク入門」(集英社)も発売している。

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