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下北沢で30回目の文芸漫談-尾崎紅葉の「金色夜叉」をテーマに

文芸漫談の様子。左から、いとうせいこうさん、奥泉光さん

文芸漫談の様子。左から、いとうせいこうさん、奥泉光さん

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 下北沢南口の「北沢タウンホール」(世田谷区北沢2、TEL 03-5478-8006)で7月25日、いとうせいこうさんと奥泉光さんによる「文芸漫談」が行われた。

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 毎回一つの文学作品をテーマに、いとうせいこうさんと奥泉光さんがそれぞれの視点で解説する漫談スタイルの講座。30回目となる今回のテーマは「金色夜叉」(尾崎紅葉著)。間貫一という許婚がありながら、富豪の富山唯継へ嫁いだお宮。激怒した貫一は、熱海でお宮を問い詰め、本心を明かさない彼女を蹴り飛ばし、その後復讐のため高利貸しになるというストーリーだ。

 「金色夜叉」は、執筆中に作者である尾崎紅葉が死去しており、未完成の作品として知られている。尾崎紅葉は夏目漱石と同年生まれだが、1903(明治36)年に36歳の若さで亡くなった。同イベント冒頭では、漱石が小説を書き始めたのが翌年の1904年からであることに触れ、紅葉は「漱石が小説を書く以前に書いていた人物」という作品の背景を紹介した。

 ユーモアを交えながら文学作品の魅力を伝えることで人気を集める同イベント。「間貫一がくどい。しつこい」(奥泉さん)、「これはフラれるよ」(いとうさん)など、2人のトークに会場が沸く一幕も。最大の見せ場である、貫一がお宮の弱腰を蹴飛ばすシーンでは「今でいうDV、これはいけない」と話しながらも、「貫一は倒れている」「もろともに砂にまみれてかき乱れて、宮は彼の後ろより取りすがっているから、下手したら2人とも寝ている」など、熱海サンビーチにある「貫一お宮の像」や多くの舞台で演じられている金色夜叉のシーンに相違点があるのではとの見解も示した。

 作品の魅力について、「笑いやユーモアを兼ね備えている」ことと奥泉さん。いとうさんは「まねしたくなる小説の一つ」であると結び、最後は恒例となった奥泉さんのフルートと、それに合わせたいとうさんの朗読を行い、盛況のうちに終了した。

 次回の作品は「高野聖」(泉鏡花著)。奥泉さんは次回について「泉鏡花のポップな面白さを、最大限に引き出したい。来てくださったお客さんが笑って喜んでくれる魅力を紹介したい」と意気込む。次回開催は10月10日。

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