下北沢のカフェ・バー&古書店「気流舎」(世田谷区代沢5、TEL 03-3410-0024)で3月29日、毎回テーマを決めて映画の面白さを話し合うイベント「映画のポケット」が行われた。今回で7回目。
同イベントは昨年9月にスタートし、毎月1回開催されてきた。司会進行を務めるのは鈴木並木さん。専門家ではない一般人が映画の楽しさを語り合う場が欲しいと考えていたところ、さまざまな文化イベントを行っている同店の存在を知り開催を打診し、実現した。
これまでのテーマは「日本映画の脇役」「映画に登場する歌と踊り」「小説と映像の関わり」など。鈴木さんは「人によって映画の見方や感想は違う。映画を見るうえでの自分の『ツボ』をゲストに語ってもらうことで、映画の面白がり方の幅を広げてもらえれば」と話している。毎回異なるゲストが登場するが、ゲストと参加者の間に壁を作らないようにするため、映画ではない分野で活躍する人を招いているという。
今回のテーマは「養殖男と天然女」で、ゲストはライターの有馬ゆえさん。「スーパーの女」(1996年・伊丹十三監督)や「嫌われ松子の一生」(2006年・中島哲也監督)などに登場する女性のキャラクターを通し、「いわゆる『天然系』と言われる女性の定義」から、「天然と言われるキャラクターは、実は作り上げられたものではないのか」という問題までが語られた。
有馬さんは「参加者の中には映画好きもそうでない人もいた様子。個人的には自分の話していることが伝わっているが不安だったが、飲み会の雑談やメールなどで感想を聞き、楽しんでいただけたことにほっとした。専門家の意見を鵜呑みにしがちだが、映画とは個人個人に解釈が自由であることを示すのが当イベントの趣旨。これを知れば、もっと多くの人が映画を楽しめるはず」と話す。参加者は約20人で、20代~30代の男女が中心だった。
次回、「映画のポケットVol.8」の開催は4月29日17時~。参加無料だが、ドリンクをオーダーすることを推奨。申し込み不要。
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