下北沢の書店店主・藤谷治さんが11冊目の小説-鎌倉と東京舞台に

主人公の男とそれぞれ鎌倉と東京に暮らす2人の女が登場する。

主人公の男とそれぞれ鎌倉と東京に暮らす2人の女が登場する。

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 下北沢南口の書店「ficciones(フィクショネス)」(世田谷区北沢2、TEL 03-5430-6352)店主で作家の藤谷治さんが3月25日、11冊目の作品となる書き下ろし小説「二都」(中央公論新社)を刊行した。

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 藤谷さんが小説を刊行するのは昨年10月に続いて約5カ月ぶり。2003年のデビューから4年半足らずで11作品を刊行するという異例のスピードについて、「39歳でデビューしたので、それまでに蓄えてきたものがあったから」と話す。

 同作品の舞台は鎌倉と東京。藤谷さん自身、東京で生まれ幼少期から中学生ごろまでを鎌倉で過ごしたことがあるという。全部で11章から成るが本文に特徴があり、奇数章は現代仮名遣い、偶数章は旧仮名遣いで書かれている。奇数章では東京、偶数章では鎌倉の様子が描かれ、順番に描写が行き来しながら物語が進む。藤谷さんによると、東京を描いた部分は藤谷さん自身の今までの作品、鎌倉を描いた部分は日本の近代文学へのオマージュを込めて書いたという。

 藤谷さんは「11作目で新しい引き出しを作れたかなという気はする。読者の方にはぜひ急がずゆっくりと読んでほしい。日常生活の時間を止めて、小説の中のひとときを楽しんで」と話す。

 藤谷さんは現在、雑誌「本の時間」(毎日新聞社)で連載中。

下北沢で書店を営む藤谷治さん、10作目となる長編小説を出版(下北沢経済新聞)下北沢の書店で毎月定例の句会―参加者は20代~30代中心(下北沢経済新聞)書店「ficciones」の藤谷治さんが書き下ろし長編「下北沢」を出版(下北沢経済新聞)フィクショネス

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