「第19回下北沢演劇祭」が2月1日、幕を開けた。
同祭は1990年2月の北沢タウンホール開館に合わせ、本多劇場グループが世田谷区に企画を持ちかけたのが始まり。劇団、劇場、地元民が一緒に演劇を楽しむというコンセプトで毎年開催されている。今年も実行委員会が招へいしたプロの劇団に加え、オーディションで選ばれた区民による同祭限定ユニットも参加する。
会場は本多劇場やザ・スズナリ、今回がこけら落としとなるシアター711など、本多劇場グループが展開する7つの劇場に、北沢タウンホール、東京ノーヴィ・レパートリーシアター、東演パラータを加えた10カ所。
同グループ代表の本多一夫さんは「19回目を迎え、すっかり定着した。(今回は)児童演劇から現代演劇までさまざまなジャンルの24劇団が登場する」と話す。
本多劇場では、2月8日~15日、劇団「パラダイス一座」の「続々オールド・バンチ~カルメン戦場に帰る~」を上演。平均年齢80歳、3年間限定という異色の同劇団の最終公演に注目が集まる。
演出を担当する、劇団流山児★事務所主宰の流山児祥(りゅうざんじ・しょう)さんは「大先輩たちに舞台上で遊んでいただきたい。お年寄りは家にいなければならないわけではない。演劇は誰のものでもなく、誰もが演劇で遊べる。劇場はもっとも自由な場所。冒頭から『ふつうの演劇ではないんだ』と度肝を抜かれると思う。お客さんにもお祭りとして楽しんでもらいたい。歌って踊って恋をするという人間の原初的なエネルギーが噴き出る場になればいい」とアピールする。前回までに行ってきた公演では銀行強盗、殺し屋が登場したが、今回はゲイの話。「芸能はもともとアウトロー的な存在に光を当ててきた。そうして時の権力や世の中を批判・批評することが、演劇の役割のひとつ」(流山児さん)。
各劇場での上演開催はサイトで確認できる。3月4日まで。問い合わせは事務局の世田谷区北沢総合支所地域振興課(TEL 03-5478-8028)または本多劇場(TEL 03-3468-0030)まで。