下北沢北口商店街で8月20日・21日、「第45回 下北沢一番街 阿波おどり」が開催された。
出演連は、2日間合わせて15連。下北沢からは「ひふみ連」「ひふみっ子連」「やっとこ連」が出場した。このほか高円寺の「しのぶ連」や三鷹の「寶船連」など都内各所からも参加連が集まった。
20日19時、阿波おどりがスタート。昭和信用金庫前の十字路では、1組目の「やっとこ連」が待機。太鼓とおはやしが鳴り出すと、先頭にいた女性の踊り子は手を空に向けポーズをとる。次第に大きくなる太鼓の音につられて観客の数も増えはじめ、「ヤットサー」の掛け声で踊りが始まった。
前半は、下北沢一番街の路地を12連が踊り歩く「流し連」が行われた。下北沢特有の狭い路地では、踊り子が持つうちわの風を感じるほど観客との距離が近く、「ライブ感が醍醐味」との声も。満面の笑顔に汗を光らせる女性が「ありがとう」と観客に声をかけたり、ほどけかかった男性の浴衣の帯を観客が結び直すなど、踊り子と観客が交流する様子も多く見られた。子どもの踊り子が登場すると観客からは「かわいい」との歓声が上がり、音に合わせて手拍子を取る姿が目立った。
20時40分ごろ、一番街商店街一帯にすべての連が出そろった。各所でそれぞれの連がパフォーマンスを行う「組み連」がスタート。観客の数はさらに増え、一時通行止めになるほどのにぎわいに。連の誘導や、交通整理を行う地元のボランティアスタッフは、背中に「下北沢阿波おどり」と描かれた黄色いTシャツを汗でにじませた。スタッフの50代男性は「太鼓の音が体の中まで響いてくるからすごく興奮する」と笑顔をみせた。
20日の観客動員数は約4万5千人。下北沢一番街商店街振興組合の久保田理事長は「下北沢芸術祭や音楽祭は『外側』から見た芸術の街としての下北沢を表現したイベントであるのに対し、阿波おどりは下北沢で生まれ育った人の『内側』を体現したイベント。この2つの下北沢を表現することは、大手企業にはできない。商店街の強みでもある」と話した。「参加してくれる高円寺や初台の連の皆さんからも、『お客さんが近いからいつもより盛り上がる』と好評だ」とも。来年も同時期の開催が予定されている。