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三軒茶屋でとっくりに挿す正月飾り「ミキノクチ」展-ボロ市で出合い

会場内に展示された神酒口。青森県青森市の「神酒筋 一ツ玉宝船」(写真右・左)、東京都福生市の「七ツ玉宝船」(写真中央)

会場内に展示された神酒口。青森県青森市の「神酒筋 一ツ玉宝船」(写真右・左)、東京都福生市の「七ツ玉宝船」(写真中央)

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 三軒茶屋のキャロットタワー(世田谷区太子堂4)内の「生活工房ギャラリー」(TEL 03-5432-1543)で12月18日、「祈りのデザイン ミキノクチ」展が始まった。

ボロ市で売られていたという神酒口

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 同展は、お神酒とっくりの口に挿す正月飾り「神酒口(みきのくち)」を展示する企画展。東京都多摩地域、奈良県、静岡県、長野県、富山県などの神酒口や、折り紙を使った創作活動を行うデザインユニット「cochae」が制作したオリジナルの神酒口など約100点が並ぶ。

 神酒口の発祥は約300年前。奈良県吉野郡下市で作られたものが始まりといわれている。地方によって形や素材、呼び名が異なり、正月だけでなくひな祭りに飾る地域もある。同施設の竹田由美さんは「神酒口は、酒を好む年神様を家の中へ呼び込むために作られた正月飾り。御神酒徳利に挿し、おいしいお酒がここにあると年神様にアピールしている」と話す。

 竹田さんは下北沢在住。昨年12月に行われた「世田谷ボロ市」で偶然店頭に並んでいた神酒口を見て不思議に思い、調べ始めたことが開催のきっかけだったという。「調べてみると、形や呼び名は違っても全国に神酒口があることがわかった。かぶとや宝剣、扇、宝船など、さまざまな神酒口を展示したいと思った」。

 同展では、形に特徴がある「松」「宝珠」「宝船」の3種類を中心に展示。それぞれ「松=長寿を願う」「宝珠=けがれを払う」「宝船=商売繁盛を願う」という祈りが込められている。「神棚を置く家が少なくなった影響で神酒口は衰退したといわれているが、日々何かを祈る気持ちは昔も今も変わらない。当時の祈りの形を現代の人たちに見てもらいたい」と竹田さんはほほ笑む。

 開催時間は9時~20時。入場無料。2月6日まで。今月23日には「cochae」によるワークショップを開催する。13時30分~15時30分、16時~18時。参加費100円で、事前申し込みは不要。

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