下北沢北口の卵専門店「とよんちのたまご」(世田谷区北沢2、TEL 03-5790-9385)と周辺の飲食店のコラボレーションメニューが好評を博している。
同店の隣にあるビストロ店「dill fait beau seize(ディルフェボーセーズ)」(北沢2)では、1年前のオープン当初から全ての卵料理に同店の卵を使う。シェフの山根由之さんは、「ここの卵は新鮮で卵白がしっかりしているのでポーチドエッグがすごくきれいに出来上がる。今年も冬の定番メニューとして、赤ワインで作るポーチドエッグを提供するつもり」と話す。
スポーツカフェ「esCafe/Dining(エスカフェダイニング)」(同)では、名物の「自家製デミグラスのとろとろオムライス」(1,000円)と「ネギトロゆっけごはん(王卵のせ)」(ランチ=1,000円、ディナー=900円)に同店の王卵を使っている。マネジャーの櫻井匡平さんは、「卵料理の素材にこだわりたいと考えていたところ、近くに『とよんちのたまご』ができた。店長さんもすぐに話に乗ってくれてこのコラボメニューが完成した」と振り返る。「王卵は非常に味が濃く、デミグラスソースにも負けていない。当店の料理を食べて卵を気に入り、『とよんちのたまご』へ買いに行くお客さんもいる」とも。
一番街近くのクレープ専門店「crepe cafe KONA」(北沢3)では、野菜やチーズ、ベーコンなどが入った『コンプレット』(900円)に同店の温泉卵を載せる。オーナーの伊藤潤さんは「当店が東北沢にあるころからここの卵を使っている。その後移転することになり、新しい店の場所がなかなか決まらなかったが、偶然『とよんちのたまご』の近くに空き店舗が出た。もちろんおいしさにこだわって食材を選んでいるが、それだけではなく縁や出会いも大切にしたい」と話す。
「とよんちのたまご」の店員、中野さんは「飲食店の方々が買いに来てくださるので、ご近所同士の交流ができる。店を越えて、個人同士で仲良くしてくださるのでうれしい」と話す。このほかにも現在、コラボしている店舗は北口周辺をメーンに約17店。その数は徐々に増えつつあるという。