現在公開中の映画「地獄でなぜ悪い」に星野源さんが出演しているが、このキャスティングは「ヴィレッジ ・ヴァンガード下北沢店」(世田谷区北沢2、TEL 03-3460-6145)のスタッフの一言がきっかけだったという。
今年5月、同店ポスター担当の大野秀美さんが星野さんを特集したコーナーで開店準備をしていたところ、中年男性に声を掛けられた。男性は星野さんを指さし、「この人いい?」と質問。大野さんは「いいと思います」と軽い気持ちで答えた。男性はさらに、「映画とかどうかな?」と尋ね、ドラマで星野さんの演技を見ていた大野さんは「いいと思います」と答えたという。
この男性は、「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」などで知られる映画監督の園子温さん。園さんは雑誌「spoon.(スプーン)」10月号のインタビュー記事で、このことが星野さんをキャスティングしたきっかけだったと語っている。
大野さんは声を掛けてきた男性が園さんだと分からなかったが、後日、同店の書籍担当者からこのことを尋ねられ気付いた。大野さんは「あんな軽い一言で決まったのかと思うとゾッとした」と振り返る。
同店では、星野さんや園さんのCDや書籍を店頭で展開するなど強く押し出しており、星野さんはCDが出るタイミングで来店するなど深いつながりがある。同店次長の長谷川朗さんは「愛情を持って売ってきた2人が、当店をきっかけでつながり感激している。映画の中にもヴィレバンの紙袋が登場するシーンがあるので見てほしい」と話す。