下北沢にゆかりの深い人物たちのインタビュー集「下北沢ものがたり」が3月31日、発売された。
「下北沢ものがたり」を手に、下北沢の街に立つ企画者の播磨さん
音楽雑誌や書籍を手掛けるシンコーミュージック・エンタテインメント(千代田区)が刊行。20代の数年間を下北沢で過ごしたタレントのリリー・フランキーさん、「もしもし下北沢」などの著作を持つ作家よしもとばななさん、下北沢在住のミュージシャン曽我部恵一さん、下北沢出身の歌手の金子マリさんとその次男でベーシストのKenKenさん、レコード店「フラッシュ・ディスク・ランチ」(世田谷区北沢2)店主で、下北沢で生まれ育った椿正雄さん、本多劇場グループ代表の本多一夫さん、下北沢などの路上で漫画を音読するパフォーマー東方力丸さん、下北沢経済新聞の小川たまか編集長など16人がインタビューに答えている。
同書を企画したシンコーミュージック・エンタテインメントの播磨秀史さんも、下北沢に20年以上暮らす。播磨さんは「誰にインタビューするか、100人くらいのリストから絞り込んでいった。著名な人だけでなく、長い間下北沢を見てきた商店の人などにも話を聞き、さまざまな角度から下北沢を語ってもらいたかった」と話す。
企画のきっかけについては、「以前、フラッシュ・ディスク・ランチの椿さんと飲みながら下北沢の話をしたのがとても面白く、他の人の話も聞いてみたいと思っていた。小田急線地下化の際に写真を撮っていたときにそのことを思い出し本にまとめようと思い立った」という。
「同じ下北沢をテーマにインタビューしたが、100人いたら100通りの見え方があるなとあらためて感じた。具体的な店名が出てくるので、下北沢を少しでも知っている人は場所を想像しながら読んでほしいし、下北沢を知らなくてもリリーさんやよしもとさんのファンが下北沢に興味を持つきっかけになるといい。戦前の下北沢駅前は原っぱで、東北沢には牧場があったことなどを聞くと、随分変化してきたことが分かる。だからこそ、この先どう変わっていくのか、期待と不安の両方を感じてもらえるのでは」とも。
価格は1,512円。