下北沢北口のコーヒー店「やなか珈琲 下北沢店」(世田谷区北沢2、TEL 0120-935-466)が4月、ポイントカード「恩送りカード」のサービスを始めた。
ドリンク1杯を購入するごとに1ポイントがたまり、12ポイントでいっぱいになる。サービスを受けることができるのは「本人以外の人」。指名した人にコーヒー1杯をプレゼントできる。カードには宛名と贈り主の名前を記入する欄が設けてあり、贈る相手は知人でも、そうでない人でもいい。ポイントがたまったカードはレジ前のコルクボードに貼り出されており、該当する人がレジで申告するとサービスを受けることができる。例えば、「めがね女子」と書けば、めがねをかけた女性が店に訪れたときに自動的に1杯プレゼントされる。コーヒーはホットかアイスか選べる。「新入生の方」「今月誕生日の人」などの使い方を想定している。
同サービスのきっかけは常連客からのアイデア。「人と人が店を通じて出会うというのが下北沢っぽいなと感じた」と店主の谷川隆次さん。「お客さまが面白いと思ってくれる仕掛けを作りたかった。ネットを使ったサービスも分かりやすいと思うが、実際に店頭に来てどんな宛名のカードが並んでいるか眺めるというアナログ感が良かった」とも。
客の反応について、「たまったポイントを自分で使えないということで、一瞬ポカンとされるお客さまもいるが、趣旨を説明すると『面白いね』と言ってくださる方が多い。ポイントなので気軽に恩を受けられるという声もある」と谷川さん。「恩を返すキャッチボールもいいが、このサービスで恩を送るというペイフォワードの精神を感じていただけるとうれしい。自分の知らないところで知らない人がサービスを受けて笑っていたり、回りまわっていつか自分の順番が来たりするのが楽しいのでは」とも。
同店では、知人宛てにドリンクをプレゼントできる「スリーブサービス」も行っている。ドリンク代を先払いしてドリンクスリーブを受け取り、そこに宛先を記入しコルクボードに貼り、プレゼントされた人が来店時に使える。
両サービスは「やなか珈琲 下北沢店」のみで行っている。