甘味所「甘寛」(世田谷区北沢2、TEL 03-6804-9287)が下北沢にオープンして1カ月がたった。
店主の青山真浩さんは、画商として海外を飛び回る日々を過ごしていた頃、「多くの西欧美術に触れていくうちに日本美術についての特別な視点を持ち、和菓子にも興味を持つようになった」と言う。2010年に、京都の人気甘味所「ぎおん徳屋」が初出店した「ぎおん徳屋 ユナイテッドアローズ原宿店」の店長として和菓子職人に転職。2018年の閉店まで勤め上げた。
下北沢に出店した理由について「目黒区出身で下北沢は小さい頃から慣れ親しんだ街。若者が多い街だが近年は外国の方も増えているので、甘味になじみのない方たちにも楽しんでほしいと思い出店した」と話す。
同店で提供する和菓子は、国産の上質な素材を使い手作りにこだわる。看板商品の生わらびもちは、国産の本わらび粉を100%使い、日によって水分量を調整することで個性的な食感を出す。「練りたてを冷水でしめ、そのままお出しするわらび餅を食べられる店はあまりない」と青山さん。甘味は徳島産の阿波和三盆を使い上品な甘さを演出。餅を卓上コンロで焼きながら食べるぜんざい・おしるこは、大きな羽釜で丁寧に炊き上げた甘さ控えめのあんこを使う。
メニューは、つるんと食感の「本生わらびもち」(1,000円)、ぜんざいまたはおしるこ、磯辺焼き、きなこもち、しその実がセットになった「甘寛セット」(以上1,019円)、三種の寒天とつぶあんの「あんみつ」(788円)、「自家製練乳のかき氷」(833円)など。
青山さんは「近くに劇場もたくさんあるので、待ち合わせや観劇後のお茶に、買い物の合間など、大正ロマンあふれる店内に一息くつろぎに来てほしい」と来店を呼び掛ける。
営業時間は12時~21時。月曜定休(祝日は営業)。