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下北沢のコーヒー店店長が漫画のモデルに 夜な夜な訪れる客の話の聞き役に

漫画「今日のてんちょと。」書影

漫画「今日のてんちょと。」書影

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 下北沢のコーヒー専門店「こはぜ珈琲(コーヒー)」(世田谷区北沢2、TEL 03-5738-9207)を舞台にした漫画「今日のてんちょと。」が2月22日に刊行された。

 同作は、コーヒー店に訪れるお客さんと店長との会話をつづった群像劇で、「てんちょ」こと作中に登場する店長は「こはぜ珈琲」の店長、谷川隆次さんをモデルにしている。作者で漫画家・イラストレーターのおおがきなこさんは勤務する眼鏡店「纒オプティカル」から近い「こはぜ珈琲」に8年通っている常連で、「地元密着型で、コーヒーもおいしい店」と話す。

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 おおがさんは毎年同店で個展を行っている。2017年に同眼鏡店に訪れるお客さんの似顔絵の展示を行った際、「この人たちの絵だけをヒントに、フィクションのエピソードを描いた作品を出したい」と思い、同作をSNSで発表するようになったという。

 作品が夜のコーヒー店を舞台としていることについて、おおがさんは「人が日頃もやもやした思いで胸にためていることをポロッと誰かにこぼしてしまうような時間帯だから」と話す。夜な夜な店に訪れる人たちの聞き役となる「てんちょ」について、「優しく対応してくれるような人物として描いていない。実際の谷川さんは人望のある人だが、いい意味で突き放した態度で話を聞いてくれ、『なぜか、この人には話してしまう』ような人物として描いている」とも。

 こうした群像劇を描くようになった理由を、おおがさんは「眼鏡店に勤務する以前は、演劇の台本を書いていた。台本では複数の人物のせりふを登場人物の主観で書いていく。来店する人それぞれのエピソードを描くこうした漫画を制作するのは、自然なことだった」と話す。

 「作品に登場するのは不平や不満もこぼすし、ささいなことに疲れているお客さんばかり。前向きで明るかったり、器用に生きていたりする人はあまり出てこない。さまざまな解釈で作品を楽しんでほしい」と呼び掛ける。

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