下北沢周辺をメインに撮影された映画「アイムクレイジー」が8月24日、シアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開される。
行定勲監督の下で研さんを積んだ工藤将亮監督の長編デビュー作。「音楽×映画」をテーマに製作され、昨年のプチョン国際ファンタスティック映画祭でNETPAC賞を受賞。主演にバンド「2」のボーカル&ギター・古舘佑太郎さんが抜てきされ、「サニーデイ・サービス」のボーカル&ギター・曽我部恵一さんが映画本格初出演を果たした。主に下北沢周辺で撮影され、下北沢駅の旧南口や、曽我部さんがオーナーを務めるカフェバー&レコードストア「CITY COUNTRY CITY」が登場する。
映画の撮影現場について曽我部さんは「皆さん本当に情熱を持って作っている。いろいろぶつかりながら少しでも作品を良くしていこうという空気がすごいあった。音楽ってもう少しクールなところがある。ライブもそうだが、ギターはギターに任すし、ベースはベースに任せたって感じで個人の責任でやっていく感じがあるが、映画の現場はもっとチームワークを感じられたところが素晴らしかった」と振り返る。
主演のミュージシャン・佑樹を演じた古舘さんは「高校1年生の時に初めてライブをやったのが、下北沢のモザイクだった。その時に初恋・失恋して、すごく気持ち的に沈んでいた時で。その彼女とは別れて半年くらい経ってたが、なんとか友達にお願いして彼女を呼んでもらってライブ見てもらった。それでもう一度振り向かせられると思っていたが、ライブ終わった後『もう一回会って話をさせてくれ』って言ったら『それだけはやめてくれ』って言われて…。初めて音楽を鳴らした場所であり、音楽で世界は変えられないと気づいた場所が下北沢だった」と笑う。
同作の見どころについて工藤監督は「古舘佑太郎さんと曽我部恵一さんが、桜井ユキさんと一緒にセッションをしたシーンが一番の見どころ。全て生音を使用していて後から足していないので、あの瞬間あの場でしか出せない音が出ている。そこはぜひ見てほしい」と話す。