下北沢のアパレル店「BARNS HEADSHOP」(世田谷区北沢2)が、環境に配慮した商品作りに取り組んでいる。資金調達のため5月31日、クラウドファンディングを立ち上げた。
アパレル産業が抱える環境問題に疑問を抱き始めたという同プロジェクト。化学染料を使わない天然染めのTシャツと、ペットボトルからできたリサイクルナイロンを使ったエコバッグを、クラウドファンディングで集めた資金で製作する。
同店オムニチャンネルディレクターの畦地隼平さんは、昨今のアパレル業界で「サステナブル」というワードが飛び交う理由について「従来までのアパレル産業は流行を追い掛け、大量生産される衣料の相当数が破棄されている。さらに生産工程での自然への悪影響、化学染料による水質汚染のほか、一部の劣悪な労働環境が問題視されている昨今のファッション事情が世の中に吐露され始めた」と話す。「これらを受けて多くのブランドがリサイクル、アップサイクル、オーガニックといったアイテムやその素材選びや生産工程において、自然環境への負荷を軽減させる取り組みを行っている。かつてはサステナブルを意識したアイテムはアウトドアブランドなどが中心だったが、今やアパレル業界全体の責務となっている」とも。
Tシャツは、クチナシの果実を使ったブルーと、ローズウッドを使ったベージュの2色を用意。「天然染めは、化学染料を使うことなく独特な色表現ができることから、着用の着心地や肌にも優しい仕上がりになる」と言う。
エコバッグは耐久撥水(はっすい)加工が施され、ノンコーティングで透湿性(蒸れ防止)もある。底にハンガーが通せる穴が開いており、色あせが起きやすい天然染めTシャツの洗濯や乾燥の際に合わせて使える仕様になっている。
「サステナブルというワードは、まだまだ自分たちも含めて浸透していないマインドだと感じている。そこで意識レベルの差を植え付けていくのではなく、共に考えて行動していけるコミュニケーションツールとしてTシャツやエコバッグを使い、サステナブルというマインドを下北沢で広げられれば」と畦地さん。「ただ、サステナブルだから良いわけではなく、一番大切なのはこれらの商品を身に着けることで単純に『かっこいい』『かわいい』などの優越感に浸れることだと考えている。それを地域に落とし込んで、サステナブルというマインドを『当たり前』にすることが『日常までをも提案する』という当ブランドの使命」とも。
募集期間は7月1日まで。