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下北沢のライブハウスで職場体験  八丈島の高校生が「見習い」に

「下北沢CLUB Que」で職場体験を行った高校2年生の及川空さん

「下北沢CLUB Que」で職場体験を行った高校2年生の及川空さん

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 音楽業界への就職を希望している八丈島の高校生が1月17日から21日、下北沢の老舗ライブハウス「下北沢CLUB Que」(世田谷区北沢2 TEL03-3412-9979)を訪れて、エンターテインメントの仕事を体験した。

黙々と階段を掃除する及川さん

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下北沢を訪れたのは、東京都八丈島に住む高校2年生の及川空さん。及川さんは、母親の影響で幼いころから音楽に親しみ、中学生のころ、アメリカの伝説的ロックバンド「ニルヴァーナ」に衝撃を受けてギターを始め、高校卒業後は音楽業界で働くことを希望するようになったという。

及川さんによると、八丈島にはライブハウスがほとんどなく、実際に音楽業界ではどういった仕事が行われているのか知ることが難しいため、母親や学校と相談して「音楽の街 下北沢」を選んだという。学校を通じて「下北沢CLUB Que」に連絡を取り、今回の職場体験が実現した。

 及川さんは、月曜から金曜までの5日間、毎日15時にライブハウス裏手にある事務所に「出社」。街の音楽シーンをよく知るため、ライブハウスやスタジオなど20カ所以上を回り、あいさつとチラシ配りを行った。ライブ前後には、フロア、トイレ、階段掃除などを担当。リハーサルを見学したり、アーティストの演奏を間近で体験したりした。

 このほか、ライブで使われる機材の名前や種類、性能などを調べる座学も行い、ライブハウスでそろえている音響機材の基準などについて二位徳裕プロデューサーに質問。その日学んだことを紙にまとめ、21時ごろ「退社」。夜は近くの宿で体を休めた。

 及川さんは「ステージの裏でたくさんの人が働いていて、この人たちが協力して、いいライブを作っているということを深く知った。前から将来は音響の仕事に就きたいと思っていましたが、その気持ちがより強くなった。下北沢の街を歩くと、たくさんライブハウスがあって、それぞれに個性やカラーがあって興味深かったし、チラシを持っていくと皆さん快く受け取ってくれて、とても優しかった。ライブハウスとこの街の関係や、ライブハウス同士のつながりについても知ることができて、とても勉強になった」と話す。

 及川さんの職場体験を受け入れた「CLUB Que」の二位プロデューサーは「僕らが高校生のころライブハウスは行ってはだめな場所だった。僕の出身の佐賀県には『佐賀ガイルス』というライブハウスがあり、たくさん迷惑かけたのにオーナーの木原さんが僕らを受け入れてくれた。そういう経験が今につながっているので、今でも心底感謝している。これから及川君の人生がどうなるか見当もつかないが、裏側からの目線でも、1人でも多くの人にライブハウスやロックに興味を持ってもらい、『楽しく刺激的で、やりがいのあるものだ』と思ってもらえたら」と話す。

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