池ノ上の貸し上映スペース「シネマボカン」(世田谷区代沢2、TEL 03-5478-6889)で6月14日、「『素敵な家族』ゆうばり国際ファンタスティック映画祭がい旋上映」が行われた。
上映会は、同作品の「2007年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」入選を記念して企画された。同作品では、家族の日常の様子を、掃除やティータイム、友人との電話の描写などの情景を切り取ることで丁寧に描いている。監督の堀井彩(ほりい・ひかる)さんは1968年生まれ。大学時代から映画制作に携わるようになり、社会人となってからもテレビ情報誌の編集者を務める傍ら映画制作を続けてきた。「忘れられない女」(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭入選)、など数々の受賞暦を持ち、劇場公開作品には「異形ノ恋」(2002年)がある。上映会ではほかに、堀井さんの映画監督としての半生をモチーフとし、自身で監督した「日曜日にはカレーを」も上映された。
会場は50席で、上映を行われない日はバーとして営業している。当日は「日曜日にはカレーを」主演の多賀康之さん、「素敵な家族」主演の咲ちひろさん、脚本を担当した楓みえるさんなども駆けつけた。楓さんは、今回の作品が脚本家デビュー作。同映画について「『素敵な家族』は、全員が全裸で演技するシーンがあるなど実験的な部分もある映画。今回の作品を書けたことによって、今後はどんな作品でも書ける気がする」と話した。
9月27日からは、池袋「シネマロサ」で堀井さんの最新作「窓辺のほんきーとんく」がレイトショー公開される。堀井さんは「劇場公開作品である『窓辺のほんきーとんく』は、自主映画でしかできないことを追求した『素敵な家族』とは間逆の作品になると思う。ぜひ見に来てほしい」と来場を呼びかけた。