いとうせいこうさんと奥泉光さんの「文芸漫談」、今年も始まる

左がいとうせいこうさん、右が奥泉光さん。今回の「挟み撃ち」をどのように解釈していくのかが注目される

左がいとうせいこうさん、右が奥泉光さん。今回の「挟み撃ち」をどのように解釈していくのかが注目される

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 作家・タレントとして活躍するいとうせいこうさんと、小説家で大学教授も務める奥泉光さんによる文学実践講座「文芸漫談シーズン3」が1月24日、下北沢南口の「北沢タウンホール」(世田谷区北沢2、TEL 03-5478-8006)で開かれる。

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 同講座は、毎回ひとつの文学作品をテーマに、いとうさんと奥泉さんがそれぞれの視点で解説していく漫談スタイル。2007年7月にスタートして以来、カミュの「異邦人」や夏目漱石の「坊ちゃん」など、数多くの文学作品を取り上げてきた。ほぼ3か月に1回のペースで行われており、番外編を合わせると今回で12回目。いとうさんと奥泉さんは事前の打ち合わせなどを行わず、公演を「成り行き」で進める。そのため観客やスタッフはもちろん、舞台に立つ本人たちも、どういった内容のものになるか当日までわからないという。

 今回の講座では、後藤明生の代表作「挟み撃ち」を取り上げる。同作は、他者との関係の中に自己存在の意味を見出そうとする思考をつづった長編小説。日本文学の中でも特異な冗舌体で書かれたこの作品を、いとうさんと奥泉さんがどのように解いていくのかが注目される。

 同ホールの館長、野際恒寿さんは「回を重ねるごとに、どんどん人が増えている。最近では、テーマとする文学作品を買って家で読み、当日会場で内容を確認しながら漫談を聞いている熱心な人も多い」と話す。また、「この漫談では、読み手が気づかないような部分も解説してくれるので、いろんな読み方を知ることができる。文学になじみがないという人でも楽しめる内容になっているのでは」とも。

 開場18時30分~、開演19時。チケットは2,000円。これまでの漫談公演をまとめた「文芸漫談 笑うブンガク入門」(集英社)も発売中。

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