![第1部の帯には作家・西加奈子さんの「読者には早く読んで欲しい。きっと誰でも知っている自己嫌悪ややりきれなさに、ため息をつくと思う」とのコメントも(画像は帯なしの表紙)。](https://images.keizai.biz/shimokita_keizai/headline/1263375700_photo.jpg)
下北沢で書店「フィクショネス」(世田谷区北沢2、TEL 03-5430-6352)を営む作家・藤谷治さんの長編3部作「船に乗れ!」(ジャイブ刊)が複数のメディアで取り上げられ話題になっている。
書き下ろしである「船に乗れ!III 合奏協奏曲」を昨年11月に発売し、完結した同作。第1部刊行時から各方面で話題になり、テレビやラジオ、雑誌、新聞でも度々特集された。
同作の主人公は私立高校の音楽科でチェロを学ぶ津島サトル。芸術と哲学を愛する津島が高校生活の3年間で出会う人々との交流を、10代特有の葛藤(かっとう)とともに描く。
藤谷さん自身も高校時代に音楽家でチェロを学んだ経験を持つ。ジャイブの根本篤さんによると、「青春小説を書いてくださいとお願いした後で、藤谷さんが高校時代にチェロを学んでいたことを知った。それならば高校時代の3年間を3部作にしてみては、ということになった」と振り返る。3部作の合計部数は現在10万部に届く勢いで、過去の藤谷さんの著作の中では最高の売れ行きだという。
価格は各1,680円。2008年10月発売の「Heart Beat」(同)には同作のスピンオフ短編「再会」を収録している。