
ロックバンド「きのこ帝国」(代沢レコーズ)が昨年10月に発売した楽曲「クロノスタシス」のミュージックビデオに、下北沢一番街商店街が舞台として登場している。
2007年に結成した「きのこ帝国」。2012年に「渦になる」でデビュー後、各地のイベントやロックフェスに出演してきた。1月21日に行われた赤坂ブリッツ(東京都港区)のワンマンライブはチケットが完売した。
「クロノスタシス」のミュージックビデオを撮影したのは、関和亮監督。これまで福山雅治さんやPerfume、木村カエラさんらのMVを撮影している。関監督が友人からの口コミで「きのこ帝国」の評判を聞き、プロデューサーに一緒に仕事がしたい旨を伝えた所、「海と花束」という楽曲で2013年に実現。今回で2度目の共作となる。
同ミュージックビデオのコンセプトについて、関監督は「『深夜の街をブラブラと歩いている設定の歌詞なので、その雰囲気をミュージックビデオでもそのまま表現したい』と本人たちから依頼された。舞台は、街自体に人のぬくもりとカルチャーが混じった雰囲気があるところが良いと思い、本人たちもよくライブをしていたという理由から下北沢に決めた」と話す。
撮影に協力したエキストラは、関監督がツイッターで募集をかけた。深夜の撮影になることから、「自転車でも来られるくらい下北沢の近くに住む人に協力してもらいたい」とツイートしたところ、20~30人が集まった。リハーサルを入念に重ね、22時ごろから本番を開始。3~4回の撮影で終わったという。
同ミュージックビデオはボーカルの佐藤さんが下北沢一番商店街を歩く様子を長回しで撮影。佐藤さん以外の3人のメンバーも、占い師やストリートミュージシャン、イタリア料理店の店長などに扮(ふん)して映っている。下北沢非公認ゆるキャラ「しもっきー」も曲中に登場。「比較的まじめなミュージックビデオなので、ちょっとした遊び要素を入れたかった」と関監督。
撮影でこだわった点について、「あまり演技をしすぎるとお遊戯みたいになってしまうので、できるだけ自然体の彼らを撮りたかった。本人たちも画面の質感などに強いこだわりを持っていて、それがしっかり表現できた作品になっていると思う」とも。
「クロノスタシス」のミュージックビデオは、「きのこ帝国」ホームページで視聴できる。